私は4年間、寝たきりの実家の父の介護をしました。
無事、相続関係の手続きも一段落して、私が父の形見として貰ったものは電動自転車「ヤマハパス」でした。
父の介護の思い出の中には、自転車が切っても切り離せないものでした。
無理を承知の在宅介護
父は脳梗塞で寝たきりになり、4年間在宅介護をしました。
実家は、要介護5身体障害者1種1級で寝たきりの父と、要支援2アルツハイマーの母の2人で住んでいました。
とても、在宅介護ができる状態ではありません。
それでも、「家に帰りたい」と言う父の願いで、無理を承知の在宅介護が始まりました。
幸い、優秀なケアマネージャーさんや、親身になってくれる訪問医療のお医者さんのおかげで、何とか乗り切ることが出来ました。
父の介護の思い出
実家は、私の家から自転車で約1時間かかります。往復で2時間です。
父の容態が悪い時には、1日に2回・3回と実家まで行かなければならないこともありました。
早朝だろうが、夜中だろうが、雨が降っても私は、自転車で実家に通い続けました。
私が父の介護を思い出すと、その中にはいつも自転車をこいでいる自分がいます。
4年間、実家に通い続けた私の自転車は、ボロボロになっていました。
父の遺産相続
父は、遺産相続をするほどのお金を残していた訳ではありません。
銀行口座の相続などは、兄と私が遺産放棄という形にして、全て母が相続しました。
母が、これから生きて行くために必要なお金なので、兄も私も遺産を分割することは考えていませんでした。
そんな中、母から「介護のお礼に、少しでもお金を相続して欲しい」と言われました。
でも、やっぱりお金は受け取れませんでした。
納得のいかない母と相談して、遺産相続ではなく「父の形見」として形のある物をプレゼントしてもらうことにしました。
父の形見は電動自転車
プレゼントしてもらった物は、電動アシスト自転車ヤマハパスでした。
ずっと寝たきりの父は、外に出かけるできなかったから、自転車になって私と一緒にお出かけするんだよ。と、母と話をしました。
まぁ、お出かけと言っても、行き先が安売りスーパーばかりというのは、ちょっと可愛そうですけどね。
それに、50を過ぎた娘がいつも父親と一緒にお出掛けというのは、ちょっと気持ちが悪い。
と、あれこれ語ってみましたが、
結局のところ、50を過ぎた娘が、親に自転車を買って貰ったという、ずうずうしいお話でありました。
これじゃ、父もうかばれないよね。