息子のセンター試験、母親として一生後悔したこと。子供の受験と親の介護

今年も、センター試験の日がやってきました。

私の息子も、2年前にセンター試験を受けました。

私は、センター試験の日が来るたびに、息子に申し訳ないと後悔することがあります。

息子の大学受験と親の介護、あなたならどちらを優先しますか?

忘れもしない、息子のセンター試験の1日目、2年前の1月18日でした。

息子は、この日午後から試験を受けることになっていました。

前日から相談して、お昼は消化の良いうどんを少し早めに食べて、試験会場に向かおうと決めていました。

気が小さい息子は、前日の夜は良く眠れなかったようです。

 

寝たきりの父を恨んだ日

当時、私の父は寝たきりの状態で、実家で在宅介護をしていました。

一緒に住んでいる母も、痴呆症を発症していて1人では父の面倒を見られません。

何かがあれば、私がかけつけなければなりませんでした。

当時の老老介護の状況はこちら ⇒ 私の両親は老認介護だった。寝たきりの父とアルツハイマーの母

 

1月18日の早朝、実家の母から電話がかかってきました。

寝たきりの父が高熱を出しているので、救急車で病院に運ぶから、病院に来て欲しい・・・。

前日の状態からみても、父が高熱を出したからと救急車で運ぶほどの、病気の急変は考えられません。

父の容態を詳しく聞こうにも、母はパニックを起こしており、要領をえません。

とりあえず、救急車で父を病院に運ぶしかありませんでした。

これからセンター試験を受けるのに、不安で落ち着かない息子を置いて、父の病院に行くことは、私にはできません。

父には申し訳ありませんが、私にとって父の発熱よりも、息子のセンター試験の方が何倍も大事です。

息子を試験に送り出すまでは病院に行けないので、病院には兄に来てもらってくれと、母に伝えました。

それでも、パニックになっている母は、何度も何度も「早く来て」と病院から電話をかけてきます。根負けした私は、病院に向かうことになりました。

「何で、こんな大事な日に熱を出すんだ」

病院に向かう自転車をこぎながら、私は涙が止まりません。父を心の底から恨みました。

 

息子に申し訳ないと思う気持ち 親として後悔

父の病院についてから、携帯の電源は切っていました。

幸い父の容態は「発熱」だけですみ、様子見のために2~3日間入院しましょうということでした。

入院の手続きや先生のお話を聞いた後に、携帯の電源を入れると、息子から何通もメールが来ていました。

 

気の小さい息子は、自分のセンター試験の不安と、父の病状が心配で落ち着かなかったのでしょう。

そんな中、私とも連絡がとれず不安の中、試験に向かったのでした。

試験の結果は惨敗でした。息子が希望していた学部のある大学は全て落ち、滑り止めの大学しか受かりませんでした。

それが、息子の実力だったのかもしれません。

浪人をするか迷ったあげく、滑り止めの大学に入学することになりました。

息子は、受験に失敗したことを、一度も父のせいにしたことはありません。

入学した大学には、希望した学部はありませんが、自分なりに興味のあることを見つけ「この大学に入って後悔はしていない」と言っています。

けれども、私にとっては、あのセンター試験の日に、父が救急車騒ぎを起こしていなければ、息子の進む道は変わっていたのではないかと、悔やまれてなりません。

 

センター試験の日が来るたびに、私の心は、息子の運命を変えてしまったかもしれないと、後悔の気持ちで一杯になります。

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